メダル騒動にわいたオリパラが終わりました。「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」とSMAPが歌った「世界に一つだけの花」は好き嫌いもあるようで「きれいごと言ってんじゃないよ」などと異論をはさむ人もいたりします。それよりも「僕ら人間はどうしてこうも比べたがる」という歌詞は見事に人間社会を言い当てています。
「ゆるキャラ」の名付け親でマルチタレントのみうらじゅん氏は以前から「比較三原則」を提唱され、私はとても気に入っています。核を持たない、つくらない、持ち込まないという「非核」三原則ではありません。「比較」三原則なのです。それは１．親と比較しない、２．他人と比較しない、３．過去の自分と比較しない、という「比較三原則」です。
どうしても世間体やご近所の手前、親兄弟、親類縁者、社会通念や同世代、自分の過去の経歴などは今のありのままの自分を邪魔してしまいます。「比較」から解放された方がずっと、自由な生き方になるでしょう。
自由な生き方と言えばついでにもう一つ。みうらじゅん氏は「自分塾」というものを開いているらしいのですが、この塾には人が来たためしがないというのです。つまりこの塾の構成メンバーは自分一人。自分のための、自分による、自分の塾なのでしょう。だとしたらみんなそれぞれの自分塾を持つこともでき、塾長でもあり塾生なのでしょう。そう考えればだれもが「師」として存在しているわけでもあり、先に述べた「比較」も発生しません。実に自由でおおらかな発想ではないでしょうか。（大深俊明）
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